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「地方分権時代における教育委員会の在り方について」意見書

「地方分権時代における教育委員会の在り方」に関する全国公立学校事務長会の意見書
 平成16年9月8日に中央教育審議会教育制度分科会地方教育行政部会から「中央教育審議会教育制度分科会地方教育行政部会における意見提出について」という依頼があり、「地方分権時代における教育委員会の在り方」について意見をもとめられました。全国公立学校事務長会では、各県市の皆様からの意見をいただき、参考にして意見書を作成し、提出いたしました。提出した意見書を以下に掲載します。

平成16年9月17日
中央教育審議会教育制度分科会
地方教育行政部会長 鳥居泰彦  殿
全国公立学校事務長会
会長     小 島  豊
「地方分権時代における教育委員会の在り方」に対する意見書

 本会は、全国の公立高等学校(特殊学校を含む:以下高等学校等)の事務長が組織する団体です。事務長は、学校現場における事務室の責任者として改革を進める教育委員会の方針を理解し、教頭と連携を図りながら行財政面から校長を補佐しております。
  部会の検討は、主に市町村教育委員会と義務教育について審議されているものと思いますが、本会としても、地方分権の一層の推進とともに全国的な教育水準を確保することは必要であると考えます。
  高等学校等は、各都道府県市教育委員会との関係ですが、部会意見のとおり私たちの勤務する高等学校等も、各教育委員会と連携・協力し教育施策を理解しつつ、学校ごとに特色化を図り説明責任を果たしているところです。また、学校評議員制度を活用し、保護者・地域の方から学校を見ていただきいろいろな意見をもらって開かれた学校創りに取組んでいるところです。
また、高等学校等においては、共通する教育課題の解決に向けて全国校長会や全国教頭会、そして本会が、各々の会を通して全国の学校の情報交換・連絡等連携しながら教育水準の確保に努めているところです。
  以下、主に各論の4「学校と教育委員会との関係及び学校の自主性・自律性の確立」について本会の意見を申し述べます。

【1】学校の裁量権拡大について(学校への権限委譲)
1.学校長への「人事・予算・教育課程編成」などの権限委譲は、早急に取組むべき課題であると考えます。  
2.校長が、特色ある学校経営を進めるためには、人事が要諦であると思います。校長が考える教員人事が実現できるかできないかは、その学校の経営を左右することになると言っても過言ではありません。それほど人事権は重要であると考えます。都道府県教育委員会が、学校への権限委譲を進められるよう提言していただきたい。
3.一方、これらの権限委譲に際しては、その前提として学校経営組織の強化が必要です。校長がリーダーシップを発揮するための学校経営組織を作るためには、教頭が教授活動面を、事務長が財政を含む総務的管理面を担う組織とすることが必要です。また、教頭を補佐する職として、現在の主任を今以上に活用できるよう主任制度の改正も必要があると考えます。
4.このように、学校経営組織が強化されれば、校長の補佐機能が充実することになり、校長が意図する学校改革が達成されるものと確信します。そのためには、事務長の職務権限の明確化、事務室機能の見直しと強化が是非とも必要であると考えます。

【2】学校評価について
1.これからの学校経営は、校内評価はもちろん、保護者・生徒・地域からの評価なしには成立たないといっても過言ではない状況です。自己改革に向けた取組みが進まない学校では、設置者である教育委員会による評価や第三者評価が必要である考えます。
2.学校は、校長の策定する経営計画があり、具体的な実践が行なわれ、成果を検証し見直しをして次年度計画に生かすという活動を繰り返します。このマネジメント・サイクルが機能しなければ、学校経営とはいえません。このマネジメント・サイクルを機能させるためにも、学校評価が欠かせないと思います。

【3】学校に対する教育委員会の支援について
1.教育委員会は、学校状況の情報把握が必ずしも十分ではないように思います。校長の学校経営を支援するためにも、人事・予算を始めとする学校経営の状況を広く綿密に聴取する必要があると考えます。論点整理では、「校長会や教頭会を通じて…」とありますが、行政職である本会の事務長の立場からの情報も重要であると思います。今までは、行政職からの事情聴取をする機会がすくなかったのではないかと考えますので、是非、意見として採り上げていただくとともに、学校を支援するという使命がある教育委員会の仕事であることを明記していただきたい。
2.課題のある学校には、指導主事を課題解決まで専属として配置し校長の経営を支援する体制が必要です。また、教育改革のためには、部会意見のように学校からの支援要請に直ぐに応えられる専門職員を配置する必要があると考えます。
3.これらのことから、教育委員会は、学校と教育委員会の関係を明確にし、校長の学校経営を全面的に支援する立場に徹するべきであると考えます。そうすることにより、真の学校の自主性・自律性が確立するものと思います。
4.一方、教育委員会の学校への支援の方法は、より学校に身近な所で教育支援ができる組織を創設し重点的に学校を支援できる体制を考えることも必要であると考えます。

【4】保護者・地域住民の学校運営への参画について
1.学校評議員制度がありますが、十分に機能していない現状があるように思いますので、部会意見のとおり制度を活用し保護者・地域住民の学校運営への参画進めるべきであると思います。
2.高等学校等は、校域が広いため地域との関係構築が難しい面はありますが、今後の学校経営は、地域との連携・協力を図ることが重要ですので、学校自らが制度の具体化に向けて一層の努力が必要と考えます。
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